SDSの改訂はいつ必要?|改訂が必要になるケースと確認ポイントを解説

未分類

SDS(安全データシート)は、化学品の危険有害性や取り扱い上の注意事項などを伝えるための重要な文書です。

一度SDSを作成した後も、製品の情報や法令、危険有害性に関する情報などに変更があった場合には、SDSの内容を見直す必要があります。

「以前作成したSDSをそのまま使っていて大丈夫?」

「SDSは何年ごとに改訂すればいい?」

「法令が変わった場合はSDSも変更する必要がある?」

このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、SDSの改訂が必要になる主なケース、確認しておきたいポイント、改訂を外注する場合の注意点について、わかりやすく解説します。

 

SDSの改訂とは?

SDSの改訂とは、すでに作成・提供しているSDSについて、新しい情報や変更された情報を反映し、内容を更新することです。

例えば、

  • 製品の組成・成分が変更された
  • 成分の含有量が変更された
  • GHS分類が変更された
  • 新たな危険有害性の情報が得られた
  • 関係する法令が変更された
  • 会社情報や製品情報が変更された

といった場合には、SDSの内容を確認する必要があります。

SDSは一度作成したら永久に同じものを使用する文書ではありません。

製品情報や法令、危険有害性に関する新しい情報を継続的に確認することが重要です。

 

SDSは5年ごとに必ず改訂する?

「SDSは5年ごとに更新する」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

ここは注意が必要です。

厚生労働省によると、SDSの記載項目のうち「人体に及ぼす作用」について、5年以内ごとに記載内容の変更の要否を確認することが必要とされています。

そして、確認の結果、変更が必要な場合には、確認後1年以内に更新することが義務付けられています。

一方で、確認した結果、変更の必要がない場合には、SDSを更新する義務はありません。

つまり、

「5年経過したら必ずSDSを改訂する」

という意味ではありません。

5年以内ごとに必要な確認を行い、その結果に応じて対応するという考え方が重要です。

なお、事業者がSDSの改訂情報を管理するため、変更が必要なかった場合でも、確認した日などを記録しておくことが望ましいとされています。

 

SDSの改訂が必要になる主なケース

ここからは、具体的にどのような場合にSDSの見直し・改訂が必要になるのかを解説します。

1.製品の組成・成分が変更された場合

製品の原料や配合が変更された場合は、SDSの内容を確認する必要があります。

例えば、

  • 原料を変更した
  • 新しい成分を追加した
  • 成分の含有量を変更した
  • 原料メーカーを変更した
  • 不純物の情報が変更された

といったケースです。

成分の変更によってGHS分類や法令該当性などにも影響する可能性があります。

そのため、単純に「成分名だけを書き換えればよい」というわけではありません。

組成変更があった場合は、SDS全体への影響を確認することが重要です。

2.GHS分類が変更された場合

新しい危険有害性情報などによって、製品のGHS分類が変わる場合があります。

例えば、

  • 急性毒性
  • 皮膚腐食性・刺激性
  • 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性
  • 発がん性
  • 生殖毒性
  • 水生環境有害性

などの分類が変更されるケースです。

GHS分類が変更されると、SDSの複数の項目に影響する可能性があります。

特に、

第2項「危険有害性の要約」

は、GHS分類や絵表示、注意喚起語、危険有害性情報などと関係するため、分類変更があった場合には確認が必要です。

3.新しい危険有害性の情報が得られた場合

新たな試験結果や文献などから、製品または成分について新しい危険有害性の情報が得られる場合があります。

例えば、

  • 新しい毒性情報が公表された
  • 新しい発がん性情報が得られた
  • 新しい環境有害性情報が得られた
  • 新たなばく露に関する情報が得られた

などです。

厚生労働省も、新たな危険有害性情報が提供された場合などを、化学物質の危険性・有害性に変化が生じた場合の例として示しています。

参考リンク https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11389.html

このような新しい情報を入手した場合には、現在使用しているSDSの内容と照らし合わせて確認することが重要です。

4.法令・規制が変更された場合

SDSの改訂で特に注意したいのが、法令・規制の変更です。

化学物質に関係する法令は、対象物質や裾切値、規制内容などが変更されることがあります。

例えば、

  • 労働安全衛生法
  • 化学物質排出把握管理促進法(化管法)
  • 毒物及び劇物取締法
  • 消防法

などがあります。

法令改正によって製品に含まれる成分の扱いが変わった場合には、SDSの記載内容を確認する必要があります。

厚生労働省は、すでに交付したSDSの製品に含まれる成分について新たに法令が適用される場合、可能な限り速やかに新たな適用法令などを盛り込んだSDSを譲渡・提供先に通知するよう努めることとしています。

そのため、SDSを作成した後も関係法令の改正情報を確認することが重要です。

5.製品情報・会社情報が変更された場合

危険有害性や成分情報だけでなく、SDSに記載されている基本情報も確認が必要です。

例えば、

  • 会社名が変更された
  • 住所が変更された
  • 電話番号が変更された
  • 緊急連絡先が変更された
  • 製品名が変更された
  • 推奨用途が変更された

などです。

SDSを提供する企業の情報が古いままになっていないか、定期的に確認するとよいでしょう。

 

SDSのどの項目を確認すればいい?

SDSを改訂する場合は、変更された部分だけを見るのではなく、変更による他の項目への影響も確認することが重要です。

例えば、成分の変更があった場合には、

第3項「組成及び成分情報」

だけでなく、

  • 第2項:危険有害性の要約
  • 第8項:ばく露防止及び保護措置
  • 第11項:有害性情報
  • 第12項:環境影響情報
  • 第14項:輸送上の注意
  • 第15項:適用法令

などにも影響する可能性があります。

そのため、SDSの改訂では、

変更された情報 → GHS分類 → 各SDS項目への影響

という形で全体を確認することが大切です。

 

SDS改訂時に確認したいチェックポイント

SDSを改訂するときは、次のような項目を確認するとよいでしょう。

製品情報

  • □ 製品名に変更はないか
  • □ 用途に変更はないか
  • □ 会社名・住所に変更はないか
  • □ 電話番号・緊急連絡先に変更はないか

成分情報

  • □ 成分の追加・削除はないか
  • □ 含有量に変更はないか
  • □ CAS番号に変更はないか
  • □ 原料情報が最新版になっているか

危険有害性情報

  • □ GHS分類に変更はないか
  • □ 絵表示に変更はないか
  • □ 注意喚起語に変更はないか
  • □ 危険有害性情報に変更はないか
  • 注意書きに変更はないか

法令情報

  • □ 労働安全衛生法の対象物質に変更はないか
  • □ 化管法の対象物質に変更はないか
  • □ 毒物及び劇物取締法に関する変更はないか
  • □ 消防法などの該当情報に変更はないか

その他

  • □ 物理的及び化学的性質に変更はないか
  • □ 有害性情報に新しい情報はないか
  • □ 輸送上の注意に変更はないか
  • □ 改訂日・版数が適切になっているか

SDSの「改訂」と「新規作成」の違い

SDSの業務では、「新規作成」と「改訂」を分けて考えることがあります。

SDS新規作成

まだSDSが作成されていない製品について、新しくSDSを作成するケースです。

例えば、

新製品を発売する
↓
SDSを新しく作成する

というケースです。

SDS改訂

すでにSDSが存在しており、その内容を新しい情報に合わせて更新するケースです。

例えば、

既存製品の成分が変更された
↓
GHS分類を再確認
↓
関係するSDS項目を見直す
↓
改訂版SDSを作成

という流れになります。

ただし、改訂であっても変更内容によってはSDSの複数項目を確認する必要があります。

古いSDSをそのまま使用するのは問題ない?

SDSを長期間見直していない場合は、一度内容を確認することをおすすめします。

特に、

  • 数年間SDSを更新していない
  • 製品の配合が変わった
  • 原料メーカーから最新版SDSが届いた
  • 法令改正があった
  • GHS分類に関する新しい情報が出た

といった場合には注意が必要です。

「製品そのものは変わっていないから、SDSもそのままでよい」

とは限りません。

製品に変更がなくても、危険有害性に関する新しい知見や法令改正などによって、SDSの確認が必要になる場合があります。

SDSの改訂を外注するという方法

SDSの改訂には、成分情報だけでなくGHS分類や法令情報など、さまざまな確認が必要になる場合があります。

また、複数製品のSDSを管理している企業では、

「どの製品のSDSをいつ確認したのか分からない」

という状況になることもあります。

そのような場合には、SDSの改訂作業を外注する方法があります。

SDS作成の経験がある専門スタッフに依頼することで、社内での作業負担を減らしながら、既存SDSの内容を確認・更新することができます。

 

SDSサポートオフィスではSDS改訂にも対応しています

SDSサポートオフィスでは、既存SDSの改訂にも対応しています。

例えば、

  • 製品の成分変更に伴うSDS改訂
  • 原料情報の更新
  • GHS分類の見直し
  • 法令情報の確認
  • 既存SDSの内容確認

など、SDSの更新に関するご相談を承っています。

「現在使用しているSDSが古いかもしれない」

「SDSを改訂したいが、どこを確認すればよいかわからない」

「複数のSDSをまとめて見直したい」

といった場合も、お気軽にご相談ください。

無料相談はこちら

 

SDS改訂に関するよくある質問

Q. SDSは5年ごとに必ず改訂する必要がありますか?

必ず改訂する必要があるわけではありません。

「人体に及ぼす作用」について5年以内ごとに記載内容の変更の要否を確認し、変更が必要な場合には確認後1年以内に更新することが求められています。

変更が必要ない場合には、SDSを更新する義務はありません。

Q. 成分が少し変わっただけでもSDSを改訂する必要がありますか?

成分や含有量の変更がGHS分類や法令該当性などに影響する可能性があるため、SDSへの影響を確認することが重要です。

変更内容によって必要な対応は異なります。


Q. 法令が改正されたらSDSも改訂する必要がありますか?

法令改正の内容が製品やSDSの記載内容に影響する場合は、SDSの確認・改訂が必要になることがあります。

特に適用法令や対象物質の変更については注意が必要です。


Q. 古いSDSしか手元にありません。改訂したほうがいいですか?

まず、現在の製品情報、原料情報、法令、危険有害性情報などを確認することをおすすめします。

SDSの作成・改訂時期だけで判断するのではなく、現在の製品情報とSDSの内容が一致しているかを確認することが重要です。

 

まとめ

SDSは、一度作成したらそのまま使い続けるものではありません。

以下のような変更・情報更新があった場合には、SDSの内容を確認することが重要です。

  • 製品の組成・成分が変更された
  • 成分の含有量が変更された
  • GHS分類が変更された
  • 新しい危険有害性情報が得られた
  • 法令・規制が変更された
  • 製品情報や会社情報が変更された

また、「SDSは5年ごとに必ず改訂する」というわけではなく、5年以内ごとの確認と、その結果に応じた更新が必要という点にも注意しましょう。

SDSの改訂が必要かどうか判断できない場合や、既存SDSの見直し・改訂を外注したい場合は、SDSサポートオフィスまでお気軽にご相談ください。

SDSの新規作成・改訂について、無料相談・お見積りを承っています。

 

参考情報

 

コメント